美術館
概 要
展覧会
案 内
年 間
スケジュール
利 用
案 内
 
阿部勝則《我らに残るただ一人の女、エヴァ》1999 油彩、山本タカト《誰のための綾織》2005 ペン、水彩

飛鳥部勝則と、そのコレクション展

2024年 10月4日(金)~ 11月30日(土)

推理小説家である飛鳥部勝則(1964-)は、同時に美術品のコレクターでもあり、1998年から様々な絵画や立体作品を収集してきました。自身絵を描く飛鳥部の、収集の動機は「自分に絵を描かせるため」だったといいます。今展では飛鳥部のコレクションと共に、小説に使用した自作の絵画作品を併せて展覧いたします。
飛鳥部勝則は小説家として現在までに長編13作、短編20作以上を発表しています。この作家は1998年に『殉教カテリナ車輪』(東京創元社)で第9回鮎川哲也賞を受賞し、小説家として歩み始めました。受賞作には自作の油絵がカラー図版として掲載され、図像学や図像解釈学が物語の中に取り入れられており、続いて発表された初期の数作にも自身の絵が作中作のように組み込まれていました。本展に展示されるタブローは、この中から選ばれています。

 
稲垣考二《うつむく胸像》1992 油彩、伊藤潤二《うずまき》1999頃 ペン、カラーインク

10代から絵を描いていたこの小説家が美術品を集める目的は、自分に絵を描かせるため、という特異なものです。「勤め人でありながら、その上、依頼されて長編や短編の小説を書いていたら、絵を描く時間はゼロになる。絵も小説も書けるのは将来的に時間ができてからになるだろう」との考えから、執筆に時間を割かれて自身の絵を描けない時期、他人の絵を集めていたのです。故に収集品は、再び筆をとる際に、己に情熱を吹き込み、鼓舞し、啓発するための起爆剤であり、真の美術品が常に身近にあることが理想的と考えていました。「小さい頃から、自分の絵と他人の本に囲まれて暮らしている姿は想像できたが、まさか他人の絵と自分の本に囲まれて暮らすことになるとは思わなかった」と語る飛鳥部の、自らに絵を描かせるための絵とは一体どのようなものであったのか、そして、自らはどのような絵を描きたいと考え、実際に何が描かれていたのでしょうか。
本展覧会では、本の中で作中作として使われた飛鳥部の油絵とそのコレクションを同時に並べることにより、飛鳥部勝則が目指した「ここではないどこか」の世界の再現を目指します。この世界とは別の、もう一つの世界を所有し、自らも創りあげようとする姿勢、現実を足掛かりとして別世界に向かい、現実とは異なる全くの異空間、独自の小宇宙を見ようとする眼差しを、約60点の出品作を通して感じ取っていただければ幸いです。

▶ 飛鳥部勝則さん 来館予定(いずれも13時~15時くらいまで)
  10月27日[日]、11月2日[土]・3日[日]・9日[土]・16日[土]・
  11月17日[日]・23日[土]・24日[日]・30日[土]

▶ 飛鳥部勝則さん ギャラリートーク開催
  日時:10月12日(土)14時~ 会場:星と森の詩美術館 展示室

  ※入館料が必要です。
  *** 終了しました ***
  
牧野邦夫《白の千穂》1978 油彩、池永康晟《十数えて》2006 麻布・墨・岩絵の具

《飛鳥部勝則と、そのコレクション展》  チラシ

《飛鳥部勝則と、そのコレクション展》出品リスト

会  期  2024年 10月4日[金]~11月30日[土]
開館時間  9:30~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日  火曜日
入 館 料  一般500円、小・中学生200円
 ※障がい者手帳(ミライロID含む)提示で各100円引

▶ 飛鳥部勝則さん ギャラリートーク開催
  日時:10月12日(土)14時~ 会場:星と森の詩美術館 展示室

  

  飛鳥部勝則さんのギャラリートークを開催いたしました!
  県内の方はもちろん、県外からも熱心な皆さんにお集まりいただき、今後の
  新刊発表(?)もあり和気あいあいとした雰囲気で始まりました。

           

  ご自身がコレクションする作家との思い出や、その作家への思いもお話され
  参加された皆さんも興味深そうに作品を見ておられました。お話のなかには
  作家や小説家同士の交流やこぼれ話などもあり、楽しい時間となりました。
  飛鳥部先生、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!