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お知らせ


《十日町石彫プロムナードの作家たち2021》の地元紙発表を行いました

2021. 6. 14

昨年に引き続き、今年の石彫展も新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、会期中のギャラリートークの開催は見送らせていただきました。
会期前に藤巻先生と、酒井先生にはお電話を繋いで、地元紙の皆様に向けて開催内容の発表をさせていただきました。内容を抜粋して掲載いたします。


進行:今回ご出品いただきましたお二方をご紹介させていただきます。プロフィールなどの詳細はお手元の資料をご参照ください。
まずお一人目は、藤巻秀正先生です。改めてご紹介するまでもないとは思いますが、十日町石彫シンポジウムに関しましては1995年の第1回目の開催からご尽力され、20回での終了までコーディネーターを務めておられました。作家としては第1回展で十日町駅西口に設置されている「朔北の人」、そして2001年の第7回展で本町5丁目旧原田屋旅館様前の「雪わらべ」を制作されています。
続きまして、酒井良先生ですが、既にご案内の通り、本日はお電話を繋いでご参加いただいております。酒井先生からは、1999年の第5回展で駅通り木村屋様前の「フキノトウ」という作品を制作されました。酒井先生、どうぞよろしくお願いいたします。

酒井:今日はお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。

進行:それでは、藤巻先生から順に、石彫シンポでの制作の思い出などを交えて、自己紹介をお願いいたします。

藤巻:今日はどうもお忙しいところありがとうございます。
えっと、この石彫シンポジウム、20年間皆様のご支援で続いたという、日本全国でも20年間続いたとこというのは数か所しかないだろうと思うんですけれども。で、ちょうど時代が、流れが波に乗った時代で、非常にいい時代に立ち上げたシンポジウムじゃなかったかと思うんですが。ただ、日本では一番最後に立ち上げたもんですから。僕は九州から旭川までずぅっと先進地を廻って資料作りして、レポートを取っていったんですけれども。みんな行政型で、非常に硬い考え方のなかで、設置したらそのまんまなもんですから。過去のいいとこだけを取って、十日町シンポジウムを立ち上げることができたということで。住民型の立場をとって、住民と一緒にやろうということで。で、私有地を借りたり、それから一番よそにないということは、作家を選ぶ場合に十日町の場合には、そこの場所にあった作家を探すという。ところが普通であると公募展ですので、公募は募集するもんですから。評論家等が審査会して作品を決めてから場所を決めると、だから作品が場所に合わないのが往々にして出てくるという。そういうものであっちゃならんということで、住民型、十日町は持って行った。それが功をなして、20年間続いたんだろうと思うんですけれども。当間リゾートがオープンする、ほくほく線が開通するというようなことで、時の市長さん、また文化関係・経済人等結集していただきまして。で、報道関係の皆様、報道関係というのは先が読めるもんですから。そういうものの捉え方のひとつの指針を発表してもらったということは、非常に大きく手助けになった、力になった覚えがございます。
そして20年間終ったんですが、終わったあと、これはまた非常に特徴あることで、十日町だけが今、シンポジウムの作家が続いてこうやって星と森の詩美術館で、作家が交流をもって毎年こうやってるというのは、そういうシステムを組んでいるとこは、どこにも調べるとないというようなことで。非常にここのオーナーのひとつの先見の明があったんだろうと思うんですけれども。そういうようなことで、非常に喜んでいるんですが。
僕がコーディネーターをやって、一番楽しくて苦しいのは、そこの場所にあった作家を探すということが至難の業で。月1~2回東京へ行って個展会場を見たり、展覧会会場を見たりして、作家を探し求めていくという、それが僕の中心の仕事だったんですけれども。今考えると20年間よくやれたなぁと思うんですけれども。大勢の人のバックアップで、そうさせていただいたと、非常に楽しい思い出でありました。まぁ、そんなとこですけど。


酒井:えぇ、今藤巻先生からお話がありましたけれども、まぁ初めて伺ったような内容もありまして、改めて感無量という気持ちでおります。
で、ちょっと重なりますけれども、初めてシンポジウムに声を掛けていただいた時に藤巻先生とは全く面識がなかったんですね。それで、もちろん十日町のことも全く知らなかったですけれども。全く知らない方に声を掛けていただいたというのは、私にとっては本当にうれしい出来事でした。それから、初めてお会いした時にまたびっくりしたのは、藤巻先生着物姿で迎えに来てくださいまして。で、今まで着物姿で初めてお会いするというような人との経験というのはなかったものですから、まぁびっくりしたんですが。その時に、十日町というのは着物の街だという、そういうお話を伺いまして。あぁ、地元をこうやって初めて会う人にちゃんと紹介しようとしてやってらっしゃるんだなぁというのを、改めてそこで嬉しく思ったんですが。で、そのあとお昼をご馳走になりました。ちょっと話が長くなって申し訳ないんですが、その時にまぁいろいろお話を伺ったんですけれども。まぁその時に、本っ当に心のなかからの声といいますかねぇ、本当にこういう事をしたいんだという気持ちが本当に伝わってきまして。特に、「歴史を刻むように今を刻んでいきたいんだ」という、そっくりな言葉かどうか分かりませんけれども、そのような言葉を聞いたのをすごく新鮮でした。
で、シンポジウムの会期中の出来事では、まぁ私も他のシンポジウムにちょっと参加させていただいてるんですが、初めてだったなぁというのは、毎日、会期中欠かさず見に来てくださった方がいました。これは、私たちにとって、シンポジウムというものの意味が本当に伝わったんだなぁということを、心から実感した出来事なんですね。先程もちょっと藤巻先生触れましたけれども、できたものを街なかに設置をするというようなことはよくあるんですけれども。その制作過程から、作者との接点から、まぁこれほど身近に接していただいたというのはシンポジウムというなかでも初めての経験でした。これだけはやっぱり、話長くなってすみませんが、お話したいなという思いでいたものですから、話をさせていただきました。
それからもう一つ、会期中ではなかったんですが、会期が終ってから、お世話になった方から来た写真「かわいい石像みつけたよ」という。見たら十日町の、十日町小学校と書いてありました。3年生、課外授業だと思いますけれども、私の作った作品の周りにかたまって、石像に手を触れている。大変かわいらしい写真なんですが、それを送って頂きまして。今でも大切に家に飾ってるんですけれども。本当にシンポジウム、行ってよかったなぁという気持ち、本当、今でも忘れません。
で、また今回こうやって、20年も経ってるんですね、私が参加してから。藤巻先生とご一緒に作品を展示させていただく機会を得たという、これは私にとっては本当に掛けがえのない出来事でして。今こうやってしゃべっているのも、本当にワクワクしながらしゃべっております。どのくらい時間いただけるか分かりませんので、このくらいでひとまず終わりにしたいと思います。ありがとうございます。

進行:ありがとうございました。
それでは、今回は奥の小展示室に藤巻先生には木彫作品の、酒井先生には石彫作品の制作の工程を段階を追って示していただいております。それぞれ得意とする素材だと思うのですが、石で彫刻を作ることの苦労と魅力をお聞かせください。藤巻先生には木彫との違いなども交えてお願いできればと思います。


藤巻:彫刻のひとつの見方は、粘土で作る、粘土でこう…塑像というんですが、作って、こういうふうなブロンズ像になんかにする場合、粘土で作って、石膏に型を取って、ブロンズで鋳物にするんですが。それは中から外に向かってこう作っていくんです。で、削ってはくっつけ削ってはくっつけするんですが。ところが実材といって、石とか木というのは外から中に向って作っていくわけです。逆になるわけです。だから、外にあるものを削っていくわけですので、ものはだんだん無くなっていくんですね。どんどん削っていくとものが無くなっていくから、みんな刻んで木っ端になってしまうと。で、石もなんか砂利みたいな欠片になってしまう。だから、どういうふうに外から形にしていくかという、それが非常に難しいひとつの見極め方なんですけれども。で、どこで終わらせるかというのも一つのものがこうあるんですけれども。
それでも木の方が、石よりも継ぎ足すことができるんです、木は。ボンドで貼って。だから、ちっちゃいパーツでどんどんどんどん、彫刻を木で作っている人もいますが、石はなかなかそうは行かない。で、一体で、一つの石で作る場合に、思わず欠けたりすると、大変なものになってきて、寝込むぐらいの熱が出たりなんかするわけですけれども。素材自体が高いもんですから。そういう違いがあるだろうと思うんですが。
もうひとつは、触覚からこういくと、木は温もりがあるかと思うんです。石はなんか冷たい感じがするかと思うんです。だから、冷たいものをこうあたたかみというか温もりを感じさせる石彫の、そこにまた面白さが出てくるんだろうし。触った時の肌合いとか、そういうものが石というのは微妙に感覚としてはあるだろうと思うんですけれども。あの、木の場合はそのまんまでも温もりがあるもんだから、人間、人間というか日本人は木の文化・紙の文化なんか言ってますけれども。そういう面では日本人に合ったひとつの素材であるかも分かりません。なんかそんなことですけれども。


酒井:今、木と石の違いというのを藤巻先生がお話いただきまして、だいたいそんな感じじゃないかなと思います。で、私が石をなぜ彫るようになったのか、ということなんですけれども。もともと塑像をやりたくて、塑像を教わりたい人を選んでその学校に行ったわけなんですが、不思議なことに一番最初の授業が石彫の授業だったんですね。それで、初めてやることばっかりだったんですけれども、それは浪人してる人ですとか、歳の差・経験の差がある人たちに、また新しい場所で仕事に向き合う姿勢というのを伝えようとして、そういう授業から入ったと思うんですが。その初めてやってるその楽しさということと、その、石を叩いた時の跳ね返ってくるショック、まぁ何というか、跳ね返りの強さですよね。それは何か、体のなかにズシっと来るのが、とても何か自分なりに懐かしいような楽しいような、まぁ不思議な感じを受けたんです。ですから、初めてやることが逆に私のなかですごく身近な感じを受けたのが、石彫をやる一番の切っ掛けになったんですけれども。まぁこれは今でもそうですが、本当に楽しいですよね。
で、まぁ石彫に対する考え方とかいろいろありますけれども。立体ですので、どうしても面の構成ということになりますよね。絵のように平らなところに色をつけたり、形を描いてるのとは違うもんですから。で、その生き生きとした面を作るという作業を、どうやってやっていったらいいだろうかということを考えた時に、「点・線・面」という言葉があるんですけれども、面にとって一番遠いものの考え方というのは点なんですよね。で、その生き生きとした面の集合体を作るには、逆に考えれば、気持のこもった一打の集合体が、自分のなかで満足の出来る形であれば、結果としてそれが気に入った自分の生き生きとした面に繋がっていくんじゃないかというのが、私の基本的な考え方でして。そうやっていくと、その一打一打がすごく楽しいんですね。ですから、何か時間がかかって単調になるんじゃないかとか、退屈しませんかとか、よく根気が続きますねとかって言う方、一般の方でいらっしゃるんですけれども。私にとっては、全てが初めてやることに繋がっていくもんですから。同じものは二つとできないという、そういう世界ですので。まぁ、そこに一番魅力を感じてます。
もし、詳しくしゃべっていいようでしたら、また後で時間をいただけたらと思いますので。ひとまず、このくらいにしておきます。

進行:ありがとうございます。それでは、今展に向けて新しく制作していただいた作品もございます。テーマや見どころなどお聞かせいただけますでしょうか。


藤巻:5年前にここで個展をやらしていただいたんです。館の20周年記念、創立20周年記念だったんですけれども。で、個展の時にここで発表された翌年から発表した作品が、今ここに展示されているんですけれども。一番左の方からなんですが。これを作ってたんですね、個展をやってる最中に。二科へ出すもんだから、それはここに出品できなかったということで。で、昨年度コロナで二科展がなかったもんですから、4年分が、そこに左から並んでる大きいのがそうです。葉っぱから人物にまた変わってきているんです。これからどう変わるか分かりませんが。
で、新たに、こちらの館の方から昨年8月頃、夏ごろ、25周年だから酒井さんと二人展をというような声を掛けていただいて。その時にいくつか、3つぐらいちょっと重なっていたもんですから、こりゃ大変だなぁということで。でも、この美術館というのは僕は、何言われてもやらなきゃならない。言われたら受けなきゃならない。恩があるもんですから。で、8月から猛烈に作って作りまくって、十日町にも来たけれども、姉がまたね、大変な、90歳の姉が認知症になって毎日呼び出しが来て、酒田まで来い来いばっかりで。それを行きながら制作を房総でやって、千葉から酒田へどのくらい…10何回通ったかな。通いなれしながら、これ作った作品で、思い出の、僕の一生の思い出になる作品じゃないかと思うんですけれども。手を上げているのが多いんです。何か人生を万歳したような感じでいるんかもわからんけど、頑張ろうというようなことで万歳の手を上げているのかも分かりませんですが。あの、気持としては若さ、若さのある作品、若い人に負けない夢、情熱がある、そういうものをテーマに持って行くに、やっぱり人物かなぁというようなところにまた原点を置いてるんですけれども。そんなのを見ていただくとありがたいんですが。
今まで下を向いている「ごぜ」とか「雪国の女」、この石彫もそうなんですが、下を向いてるのが多かったんです。下を向くというのは何か落ちていると拾えるんだけれども。何かそういう暗さを一掃しようというようなイメージも、僕の気持ちのなかに強くあって。で、今ほとんどが上を向いてます、表情が。そんなようなものがあるんです。一貫した人物の、子どもを追った作品を今シリーズでここへ作ったのを展示してますので、また見ていただければと思います。


酒井:今お話のありました人体という、人間という言葉が出て来ましたけれども、私の一番もとになっているのも人体です。
大学時代に塑像の勉強を随分やりましたけれども、人間の体で弾力性のあるとこですとか、固いところですとか、量感のあるところ薄いところ、ま、いろいろあるわけですけれども。これはあの、個人名を出すとあれですが、私の恩師の佐藤忠良という方が口癖のように言ってた「作用・反作用」という言葉があるんですが、私のなかでその言葉がとても気に入りまして。まぁ、とにかく、どうやったら自分のなかで、人体をもとにしながら自分のやりたい形なり気持を込めた形が作れるかというのが、今までやって来たルーツです。ですから、一見何作ってんだか分んないように見えるような作品も、私のなかでは全部人体、人間が基本になっています。
ただ、表現方法として私は具象作家ですとか抽象作家ですとかっていうふうにはあまりこだわってはいませんけど。ただ展覧会に発表するのがずっと抽象的な雰囲気のが多かったもんですから、何か私は具象作家ですという言い方するのがちょっと気が引けるんですけれども。まぁ、どういうわけか具象的な雰囲気がまだ残っている作品の方が親しみを感じてもらえてるようなところもあります。
で、私が学生時代からずっと目指してるのは、やっぱり生命感のあるものとか、あたたかみを感じるもの、一見派手じゃなくても何度見ても飽きないような感じですとか、作品のなかに作者の生気が残ってくれるような感じの作品が作れたらいいなぁっていう、そんな思いでやってますので。作品見た時に何か、こんな感じが酒井さんかみたいなようなところがどこかに感じていただければありがたいと思います。以上です。


2021年6月9日 星と森の詩美術館にて

テラスの彫刻が替わりました!!

2021. 4. 26

二科新潟支部彫刻部の皆さんにご協力いただいている当館テラスの展示スペース。
毎年ゴールデンウィーク前に作品の入替をしていただいています。
彫刻作品は周囲の空気も変えてくれます。
今回は角谷豊明さんの木彫「春風」と、吉川裕俊さんの塑像「うらうら」です。
ご来館の際はぜひテラスまでご覧ください!!


角谷豊明さん


吉川裕俊さん


新型コロナウイルス感染拡大防止に関するお願い

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。

・マスク着用のお願い
 ご入館の際は、マスクの着用をお願いいたします。
 マスクをお持ちでない場合は、必ずハンカチをお持ちください。
 ※当面の間、マスク着用でないお客様のご入館をご遠慮いただく場合がございます。

・手洗い・アルコール消毒のお願い
 ご入館の際は、手指のアルコール消毒をお願いいたします。

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 咳やくしゃみをする際、飛沫が飛ばないよう口元をハンカチやティッシュ、袖などで抑える咳エチケットをお心掛けください。

・ご来館前の体温測定と体調チェックのお願い
 体温が37度5分以上ある、咳などの風邪症状がある等、体調がすぐれない場合はご来館をお控えくださいますようお願いいたします。

・作品鑑賞時のお願い
 作品鑑賞の際には、他のお客様との距離をあけて、展示室内での会話は極力お控えくださいますようお願いいたします。